慣れた歯科衛生士さんには普通ですが、
経験が浅い歯科衛生士さんには何が何だかわからないでしょう。
衛生士学校や国家試験で習っているので
少し慣れれば大まかには準備できるようになるものの
「この鉗子じゃない」みたいなことも言われるでしょう。
そして
経験をつんだ歯科衛生士さんでも
「何でその鉗子ではダメなのか?」ということが
意外とわかっていない人がいるようです。
今回は
初心者の歯科衛生士さん向けに
普通抜歯で使う器具の中でメジャーな3つ
鉗子、ヘーベル、鋭匙のうち「鉗子」について簡単に説明します。
「かんし」と読みます。
患者さんが「抜歯」と聞いて頭に浮かぶペンチみたいなものです。
これだけで抜歯することもありますし、
ヘーベルで脱臼させてから最後につかむこともあります。
*現実的には後者の方が圧倒的に多いでしょう。
初めて見た時は全て同じに見えるかも知れませんが
意外と細かく色々な種類に別れています。
まずは上顎と下顎の違いを知りましょう。
上が上顎用で下が下顎用です。
簡単に言うと
上顎用が2回曲がっていて下顎用が1回曲がっています。
わかりやすく写真をアップにしてみましょう。
忘れやすい人は
昼休みなんかに歯科医師になったつもりで
実際にユニットを倒して鉗子を持ってみてください。
反対だと非常に持ちにくくて
やりにくいことが実感できると思います。
前歯部用と臼歯部用の違いは
簡単に言うと
当たり前ですが「細いか太いか」になります。
写真だとわかりにくいので
器具の本などで確認してから歯科医院で比べてみてください。
ただし新卒の歯科衛生士さんで
「前歯部用は細い」と思ってコレ↓を持ってきたことがありました(笑)
コレは
いわゆる「残根用」の鉗子になります。
歯が崩壊して根だけしか残っていないと
普通の鉗子ではつかめないのです。
ベテランの歯科衛生士さんになると
歯科医師が言わなくてもレントゲンや口腔内を見て
「残根の抜歯だ」と気づいて、当たり前のように用意してくれます。
逆に言うと
経験半年くらいの歯科衛生士さんでも
今まで抜歯する歯を言われて
「上顎・下顎」「前歯・臼歯」の区別しかしていない人が多いです。
なので、
経験半年くらいの歯科衛生士さんが一歩前進して
何も言われなくても残根鉗子を用意してくれると
教えている歯科医師としては非常に嬉しいものです。
・・・少なくとも私は嬉しくて後で褒めてしまいます(笑)
もっと詳しく勉強したい人は
「カラーアトラス抜歯の臨床」が一番写真もキレイで詳しいのですが
歯科医師用で他の部分が細かくて値段も高いので
教科書として持っている人も多いでしょうが
「歯科診療補助歯科器械の知識と取り扱い」が一番良いでしょう。
普通の本と比べてしまうと安くはないですが
器具の知識としては、ほぼ完璧に網羅しています。

